東京都交響楽団の2015年1月定期公演で、
カーゲル作曲「ブロークン・コード」が日本初演されました。
終演直後の私の印象は「大切な思い出が詰まっていた、
壊れかけのハードディスクの断片を見ているよう」でした。
しかし、これは逆だと気づいたのです。
「断片を見ることができたから、大切な思い出だった」とわかり、
この作品自体、もう一度聴きたくなってしまいました。
どちらが重要だと思いますか?
「音盤は、何を聴いていないか?ではなく、何を聴いたか?である」
「音盤は、何を聴いたか?ではなく、何を聴いていないか?である」
クラシック音楽愛好家の皆さまには簡単すぎる問いかも知れません。
記憶はすべて断片的であるからこそ、
頭のなかで自分だけの世界を再構築できます。
もし記憶がすべてつながり、
聴きたい音楽が決まってしまえば、
音盤歴はリマスタリングされるだけです。
毎月、新譜が大量に発売されております。
つまみ聴きでも構いません、情報に溺れることなく、
まずは少しだけでも聴いてみてください。
音盤で今の自分に合った世界にアップデートしましょう。